にしかんの食文化を次世代へ繋ぐプロジェクト『にいがた にしかん 食の文化部』が始動!
2018年に始動した『にしかんプロジェクト』を軸にした、「にいがた にしかん 食の文化部」がスタートします。
新潟県にしかんエリア(旧 西蒲原郡)は、日本海と越後平野、弥彦・多宝・角田山に囲まれた豊かな自然風土により形成された地域です。今から55年前、にしかんには鎧潟という大潟湖があり、水の恩恵を受けながらその風土を生かした食文化が暮らす人々の手により脈々と受け継がれてきました。
「にいがた にしかん 食の文化部」は、にしかんエリアの食文化を共有し繋いでいくことを目的とする活動です 。ここに暮らす「食の担い手」からおいしい食文化を教えてもらいます。
わすれられると、なくなってゆくもの
生活スタイルの変化やそれを受け継ぐ担い手の高齢化などで、地域の食文化である“料理そのもの”が消えゆく運命にあります。
私の中にずっとしずんでいたこの想いを強く意識するようになったのは、2021年にいがたにしかんの角田浜の郷土料理である『なまくさこうこ』という発酵食品を取材した時。
その時取材に対応してくださったお母さんは同じにしかん内からお嫁に来て、この料理を当時の義母さんから教えていただいたのだそう。それから季節の仕事の合間に仕込みを行い毎年大切につなげてきました。
年々感じていた、体力の低下と共に重労働である仕込み作業、材料の要となるイワシの高騰などで「来年は続けようか、どうしようか」という想いを抱いていたそうです。
取材の際にそんなお話を聞きながらぽろっと一言言われたのが、「これもあと2、3年だね。」と。
この言葉が私の中で動く意思を決定づける大きな言葉となりました。
レシピ本だけでは見えてこない、その周りにある地域文化や風習にスポットをあて、手の感触や加減、塩梅などを感じられる場があったら。
その想いを抱いたことをきっかけとして、食文化を受け継ぎつないでいくことは食を守るだけではなく、それを育んだコミュニティそのものを守っていくことにも通じると考え、未来へつなぐために動き出すことにしました。
すでに編集された郷土料理の本や配布された資料からのリサーチ、地域で作り続ける食の担い手の方へ取材を行い、改めてその貴重なお話を再編集するとともに、見聞きしたものを共有体験できる場としてのワークショップを開催することで担い手と次世代がつながる場をつくりだすこと。
ワークショップは料理教室ではなく、垣根を超えて情報交換できる場であり、互いの見識を広げていける空間であることを目指します。
まずは、10月に第一回目となる「にいがた にしかん 食の文化部」を開催予定です。
こちらの情報も近日中にお知らせしますのでお楽しみに!